メニュー 閉じる

代表あいさつ

 

 命を育む地域作りの一助に

 2019年、兄、小田天界より引き継ぎ社長に就任いたしました。戦後の日本の復興、平和を願って両親が新宿の地に創刊した全東京新聞が、滞ることなく70年以上の長きにわたり発行できておりますのは、皆様方の変わらぬ温かいご愛顧、ご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
 昭和、平成、令和と時代は移り変わり新聞の役目も大きく変化してまいりました。その中でも先々代の掲げた「世のため人のため」を真摯に継承して、心安らかに命を育み、生活を営むことのできる地域作りの一助になるべく今後共尽力してまいる所存です。

 70年前、大正生まれの母が社長就任いたしましたのは23歳。まだまだ女性の社会進出には理解を得られない時代でした。明治生まれの父が残した詩の中に「良き夫のつとめとは、妻を外に出すことである」と言う言葉があります。社会の既成概念やしがらみに関係なく、自分の良いと思うことを行う勇気を持ち続けた人でした。自らは会長となり母を表に出し、育てることに愛情深く力を注いだ結果、母は当時にしては珍しく数多くのトップリーダーの方々と対等のお付き合いをさせて頂いて、自由に才能を開花させました。
 幼少の頃より「詩を書きなさい。新聞を読みなさい。」と言われ、拒絶反応だった私が、いつのまにか両親の望み通りに詩を書き、長い遠回りをしながらも新聞社を継いだことをきっと喜んでくれている筈です。
  弊紙連載の「ほっぺにチュ」をご愛読くださっている読者の皆様には、夏菜の成長を一緒に楽しんで頂いてありがたく存じます。生後5カ月から毎月連載を始めた娘も大人になりました。「自分の日常生活を書かれて恥ずかしくないの?」と尋ねられることもあるようですが、「物心が付いた頃からずっとだもん。全然平気。」と毎月のネタを喜んで提供してくれています。
 未婚だった私の妊娠への兄からの第一声は、「でかした!」この言葉に甘えて今まで娘との時間をずっと優先してまいりましたが、無事に大学も卒業しましたので、新たな出会いや経験を求め、これからは、お互い次のステップに踏み出していこうと思います。私と共に夏菜もまた皆様にお目に掛る機会が増えると思いますので、温かくご指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 何においても、自らが率先して喜びや楽しみを感じていけば、想いは伝わると確信しております。素晴らしい命を育む街を、ふるさと新宿を、日本を愛し、誇りに思い、そこに関わるすべての人を受け入れて、大切に思うことのできる幸せを常に心に留めて、まずは一歩一歩、一日一日、お一人お一人との絆を70年余の歴史に繋げてまいりたいと思います。
 これからも、より良い地域社会のために、共に手を携えて、皆様のお役に立たせて頂きたいと願っております。今後とも変わらぬご厚誼を心よりお願い申し上げます。